歴史と世界

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2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

反知性主義:常識を打ち破るポピュリズム

はじめに 最近の世界政治を眺めると、「常識を打ち破る」として支持を集める動きが目立ちます。アメリカにおけるトランプ氏の再登場、日本における参議院選挙での参政党の躍進は、その象徴的な事例といえるでしょう。その背景には、現代社会に深く根を下ろす…

日本の「伝統」とは何か

はじめに 私たちは古い習わしや行事に触れると、つい「これは日本の伝統だ」と言いたくなります。しかし、「伝統」という言葉をよく考えてみると、その実体はとても曖昧です。 私たちが「伝統」と呼んでいるものの多くは、古文書や記録を通じて伝えられてき…

「◯◯ファースト」の風潮 〜誰のため〜

はじめに 最近、政治や地域振興の場で「◯◯ファースト」とよく聞きます。「都民ファースト」「アメリカファースト」「日本ファースト」など、◯◯に入る言葉を変えることで、あたかも特定の人々を最優先するような響きを持たせています。 この表現は一見わかり…

先コロンブス期の南北アメリカ

はじめに コロンブス以前、つまり先コロンブス期(Pre-Columbian Era)の南北アメリカには、私たちが「文明」という言葉で想像する枠組みを超えた、多様で深い精神文化と世界観が広がっていました。以下では、文化・文明の特徴、物の見方(世界観)、精神性…

ヨーロッパとアメリカのキリスト教

はじめに 「キリスト教」と聞くと、多くの人は一つの大きな宗教を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、その姿は時代や地域によって大きく変化してきました。もともとは古代ローマ帝国によって禁止されたユダヤ教の一派として始まったキリスト教が、…

南アメリカの食材たち :旧大陸への広がり

はじめに ジャガイモ、トマト、トウモロコシは、私たちの食卓に日常的に並びますが、これらはすべて、南アメリカ大陸が原産です。今ではヨーロッパ、アジアなどユーラシア大陸全域で「地元の食材」として根付いています。タピオカの原料となるキャサバもブラ…

見える世界と見えない世界:システムを考える

はじめに 私たちの身のまわりにある空気や水、そして私たち自身の体を形づくる細胞――それらすべては「原子」という極小の単位から成り立っています。つまり、私たちが想像できる温度の世界では、電子が陽子のまわりを回り、原子を形づくっています。 温度 - …

デジタルとアナログ:その意味と歴史

はじめに 私たちは日常の中で、「これはデジタルだから新しい」「あれはアナログだから古い」とつい言ってしまいます。しかし、本来デジタルとアナログは新旧を表す言葉ではありません。むしろそうした誤解が、技術や文化への理解を曇らせ、新たな誤解を生む…

情報伝達の歴史:グローバル化社会への道

はじめに 私たちは日々、スマートフォンで話し、調べ、メッセージを送り合いながら、当たり前のように情報をやり取りしています。しかし、この便利さは一朝一夕に得られたものではなく、叫びから始まり、言葉へ、文字へ、電気信号や無線、さらにはデジタル化…

文字の発明:文明を築いたもの

はじめに 私たちの文明にとって、文字の発明は極めて大きな転機でした。音声は一瞬で消えてしまいますが、文字は長く保存できます。数千年経った文字が刻まれた石もあります。 文字は視覚的に固定化する手段です。特に、交易の記録、土地や財産の所有権の証…

言語と知能:ホモサピエンス種から「Human」へ

はじめに あなたは今、こうして文章を読んでいます。そして、言語で考えていると思います。聴覚に障害のない人なら、おそらく頭の中で言葉が音として響いていることでしょう。聾唖者の場合、その音は響かないかもしれませんが、それでも彼らもまた言語を用い…