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ロスチャイルド家・西洋経済史・国連

・はじめに

ユダヤ資本、特にロスチャイルド家を中心とした財閥は、19世紀以降の西洋経済史や政治において非常に重要な役割を果たしてきました。本ブログでは、ロスチャイルド家が担った役割を掘り下げ、特にイスラエル建国に至るまでの経緯を中心に概観していきます。

 

ロスチャイルド家イスラエル建国

ロスチャイルド家は、イスラエル建国において非常に大きな役割を担いました。特にエドモン・ド・ロスチャイルド(1845-1934)は、シオニズム運動の支援者として広く知られ、イスラエル建国の礎を築く活動に多大な貢献を果たしました。彼の財政的支援や政治的な影響力は、現代イスラエルの形成において欠かせないものでした。

エドモン・ド・ロスチャイルドシオニズム運動

エドモン・ド・ロスチャイルドは、フランスのロスチャイルド家に生まれた銀行家であり、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、シオニズム運動に大きく関わりました。彼は、ユダヤ人が歴史的に祖先の地とされるパレスチナに再び定住し、自立したコミュニティを形成できるよう、膨大な資金を提供しました。特に、東欧からのユダヤ人移民が農業を中心に生活基盤を築けるように、農地の購入やインフラの整備を進めたことは、後のイスラエル建国に向けた重要な一歩となりました。

ロスチャイルドは、自らが設立に関わった入植地(モシャヴやキブツ)の発展に深く関与し、その結果、彼は「現代シオニズムの父」と称されました。彼の支援によって、パレスチナでのユダヤ人コミュニティは経済的に安定し、将来的な独立国家の基盤を築くことができました。

ロスチャイルド家バルフォア宣言

1917年に発表されたバルフォア宣言は、イスラエル建国への歴史的な転換点となりました。この宣言は、イギリス外相アーサー・バルフォアがシオニズム運動を支持する意向を表明し、ユダヤ人の「国家の家」をパレスチナに設立することを公式に認めるものでした。

バルフォア宣言は、ロスチャイルド家のライオネル・ウォルター・ロスチャイルド(1868-1937)宛てに送られました。彼もまたシオニズム運動の重要な支持者であり、バルフォア宣言の実現に向けた外交的な調整役を果たしました。この宣言は、国際社会におけるイスラエル建国への支持を得るための大きな一歩となり、後のイスラエル建国へとつながる道を開きました。

エドモン・ド・ロスチャイルドの晩年

晩年に至るまで、エドモン・ド・ロスチャイルドシオニズム運動への支援を続けました。彼が支援した入植地は、イスラエル建国後も重要な拠点となり、農業や経済基盤の確立に寄与しました。彼の遺産はその後も息子や孫たちによって引き継がれ、ロスチャイルド家イスラエルの経済的・文化的発展において重要な役割を果たし続けています。

ロスチャイルド家と現代のイスラエル

イスラエル建国後も、ロスチャイルド家イスラエルへの財政支援や文化活動を積極的に続けています。ロスチャイルド財団は、教育や科学技術分野における貢献を行い、イスラエルの発展に寄与しています。エドモン・ド・ロスチャイルドの支援を受けた入植地は今でもその歴史的遺産を保ち、現代イスラエルの礎となっています。

ロスチャイルド家の影響は、イスラエル建国の過程だけでなく、現代におけるイスラエルの政治・経済・文化の発展にも強く根付いており、その重要性は今なお継続しています。

イギリス政府のパレスチナ統治

イスラエル建国に至る過程で、イギリス政府の役割も非常に重要です。バルフォア宣言に代表されるように、イギリスは第一次世界大戦後、オスマン帝国からパレスチナ委任統治することとなり、ユダヤ人とアラブ人の間の緊張が増大しました。

特に「アラビアのロレンス」ことT.E.ロレンスは、アラブの独立運動を支援し、第一次世界大戦中にアラブ地域を治めていたオスマン帝国に対する反乱を指導しました。アラブ人は、アラブ地域を自らが治められると、オスマン帝国と戦いました。それゆえ第2次大戦後イスラエルが建国されたことには、納得出来ませんでした。T.E.ロレンスの活動は、戦後の中東の地政学的な形成に影響を与え、イスラエル建国の背景にもつながる重要な要素となりました。さらにイスラエルアラブ諸国の紛争の火種となりました。

フランス・マクロン大統領とロスチャイルド家

エマニュエル・マクロン大統領とユダヤ系資本、特にロスチャイルド家との関係は、近年多くの関心を集めています。本ブログでは、マクロン大統領がどのようにしてロスチャイルド家と関わり、その影響を受けてきたのか、歴史的・経済的な視点から解説します。

マクロン大統領のキャリア

エマニュエル・マクロンは1977年にフランスで生まれ、政治学と経済学を学びました。彼のキャリアはフランス財務省で始まりましたが、後にロスチャイルド銀行に転職。この転職が彼の政治キャリアを大きく後押ししました。

マクロンロスチャイルド家の関係

ロスチャイルド銀行でのマクロンの成功は、彼がビジネス界で強い影響力を持つきっかけとなりました。特に注目されたのが、ネスレの大規模買収案件における彼の役割で、この功績により「ロスチャイルドの若きプリンス」と呼ばれました。この成功は、彼が政界に進出する際、多くの支持を集める助けとなりました。

ロスチャイルド家とフランスの経済界

ロスチャイルド家は、19世紀からヨーロッパ全土で金融業を展開し、フランスでも大きな影響力を持っています。マクロンロスチャイルド銀行での経験を経て得た金融界の支持は、彼の経済政策やビジネスとのつながりに影響を及ぼしています。

歴史的にロスチャイルド家は、金融を通じて政策に間接的に影響を与えてきましたが、現代においてその影響は主に経済面に限られています。マクロンがこうした背景でどのように影響を受けたのかは、興味深い議論の対象となります。

陰謀論ユダヤ系資本に関する誤解

マクロンロスチャイルド家の関係は、時折陰謀論の対象になります。ロスチャイルド家が世界の政治に影響を与えているという主張もありますが、これらの説は多くの場合、根拠に乏しく、反ユダヤ主義に基づく偏見が含まれています。

ブログでこのテーマを扱う際には、事実に基づいた冷静な議論を心がけ、陰謀論に対する批判的な視点を提示することが重要です。

マクロンの経済政策とロスチャイルド銀行の影響

マクロン大統領は、フランス経済の構造改革を推進し、労働市場や企業の改革に取り組んできました。彼の金融業界での経験は、企業優先の政策や国際的投資を引き込む姿勢に反映されています。

しかし、このような政策は国内外で賛否両論を呼び、労働者層からの反発も招いています。ロスチャイルド家とのつながりが強調されることで、彼の政策が「エリート主義」や「資本家寄り」と捉えられることもあります。

米国とイスラエル

歴史的背景

米国とイスラエルの関係は、1948年のイスラエル建国直後から始まりました。第二次世界大戦後、ナチス・ドイツによるホロコーストの悲劇が国際社会に大きな衝撃を与え、ユダヤ人の故郷としてのイスラエル建国が国際的に支持されました。イスラエル建国が宣言されたその日に、米国はイスラエルを国家として認めた最初の国の一つとなり、その後も両国の関係は深まりました。

冷戦時代において、米国はイスラエルを中東における戦略的なパートナーと位置付け、特にソビエト連邦とその同盟国への対抗勢力としてイスラエルを支援しました。イスラエルは、冷戦下でのアメリカの中東政策において重要な役割を果たし、特に1970年代以降は米国からの軍事援助や経済支援が強化されました。

軍事および安全保障

米国とイスラエルの関係を特徴づける重要な要素の一つが、軍事協力です。イスラエルは中東で最も強力な軍隊を持つ国の一つであり、その技術力や軍事力の多くは米国からの援助によって強化されてきました。毎年数十億ドル規模の軍事援助が米国からイスラエルに提供されており、最新の兵器や防衛システムもアメリカ製です。

たとえば、イスラエルの防空システム「アイアンドーム」は、米国の資金援助を受けて開発され、中東の紛争地域でのミサイル攻撃からイスラエルの都市を守るために大きな役割を果たしています。このような軍事協力は、両国の安全保障にとって極めて重要であり、米国はイスラエルが「質的な軍事的優位性」を維持するために支援を続けています。

政治的・外交的支援

米国は国際社会におけるイスラエルの最大の支持者でもあります。特に、国際連合(UN)において、米国はイスラエルに対する非難決議や制裁提案に対して度々拒否権を行使してきました。このような外交的支援により、イスラエルは中東の複雑な政治環境の中でもその地位を確保してきました。

また、米国の大統領政権は一貫してイスラエルとの強固な関係を維持してきました。例えば、ドナルド・トランプ政権下では、米国はエルサレムイスラエルの首都として公式に認め、2018年には大使館をテルアビブからエルサレムに移転しました。この動きは国際的な議論を引き起こしましたが、イスラエルにとっては大きな勝利でした。

経済協力と技術革新

米国とイスラエルの経済関係も非常に強固です。特に技術分野では、両国の協力が目立ちます。イスラエルは「スタートアップ・ネイション」として知られ、ハイテク産業が非常に発展しています。米国の大手テクノロジー企業(GoogleMicrosoftなど)は、イスラエルに研究開発センターを設置しており、人工知能やサイバーセキュリティ分野での協力が進んでいます。

また、イスラエルの農業技術や水資源管理のノウハウも米国との協力を通じて広がっており、これらの技術は中東の乾燥地域での持続可能な開発に貢献しています。

現在の課題と中東情勢

米国とイスラエルの関係は一貫して強固ですが、近年の中東情勢によりいくつかの課題も浮上しています。イスラエルパレスチナの対立は依然として解決されておらず、米国はこれまでの和平プロセスにおいて重要な仲介役を果たしてきましたが、成果は限られています。

さいごに

国連の常任理事国5か国のうち3カ国がユダヤ資本と大きく関係しています。米国の拒否権により安保理ではユダヤ人入植地への懸念表明が出来ていません。最近の中東情勢で、国連の問題点が浮き彫りになっているように思います。

バイデン氏、イスラエルによるイラン石油施設への攻撃を協議中と - BBCニュース

イスラエル、国連事務総長を入国禁止に イラン攻撃巡る姿勢を批判 | ロイター (reuters.com)

国連安保理、きょう緊急会合へ イランのミサイル攻撃など緊迫する中東情勢めぐり(2024年10月2日掲載)|日テレNEWS NNN (ntv.co.jp)

イランのイスラエル攻撃で安保理会合 事態悪化阻止に糸口見いだせず | 毎日新聞 (mainichi.jp)

イスラム教はムハンマドの従弟を後継者とするかどうかで2つに大別されます。

特徴 スンニ派 シーア派
起源 632年、預言者ムハンマドの死後、後継者選出を巡る対立から分派。 632年、預言者ムハンマドの死後、彼のいとこであるアリーを後継者と認める立場から分派。
指導者 ウママ(共同体の指導者)を重視。選挙によって選ばれることが一般的。 イマーム(宗教的指導者)を重視。アリーの子孫に正当性を持つと信じる。
教義の重要性 コーランハディースムハンマドの言行録)を基に教義を形成。 コーランハディースに加え、イマームの言葉や教えも重要視。
宗教儀式 ジャマー(共同礼拝)を重視し、集団での礼拝を重視。 特にアーシュラー(イマームフサインの殉教を悼む儀式)が重要。
信仰の多様性 教義の解釈が比較的広範であり、多くの宗派が存在。 教義の解釈がより厳密で、シーア派内でも数つの宗派が存在。
世界人口比率 全体の約85-90%を占める。 全体の約10-15%を占める。
地域分布 中東、北アフリカ、南アジア、アジア南部などに広がる。 イラン、イラクバーレーンレバノンなどに多い。
歴史的対立 歴史的にシーア派との対立があり、現在も緊張関係が続くことがある。 歴史的にスンニ派との対立があり、現在も緊張関係が続くことがある。