はじめに
人間社会における情報技術の進化は、古代から現代に至るまで劇的な変化を遂げてきました。その進化は、人々のコミュニケーションに留まらず、人類のあり方や社会そのものと関係していて、社会的には動物と対比するような知能を持った理由の一つです。
このブログでは、情報技術がどのように社会を変えてきたのかを探り、情報技術の視点を取り入れることで新たな見方を提供したいと考えています。それが、現代社会をより深く理解する手助けとなれば幸いです。
1. 言語と古代文明
コミュニケーション手段として言語は始まりました。多分、警戒のサインであった叫びが集団化する中で、攻撃の合図となり、命令者が固定し、複雑なコミュニケーションが必要となったことで言語化していったと思います。言語化には認知革命が必要であることは別のブログで述べました。
叫びを言語化したことで、より大きな集団を作ることが可能になり、人手の集約が必要な農耕が可能になりました。号令する人と動く人が出来、社会はさらに階層化します。
この結果、古代国家が生まれ、統治する手段としての宗教が生まれました。国家へのアイデンティティです。文字が発明され、情報が固定され世代を超えて記憶が蓄積されて、文明となりました。
2. 複製技術の進化
紙の発明とその拡散
紙は中国で紀元前2世紀頃に発明され、西洋には8世紀頃にイスラム商人を通じて伝わりました。この発明は、軽量で容易に製造可能な記録媒体を提供しました。
グーテンベルクの活版印刷
西洋では15世紀のヨハネス・グーテンベルクによる活版印刷の発明は、知識の大規模な普及を可能にしました。印刷技術は、聖書の普及やルネサンス、宗教改革を支える鍵となりました。また、現在のヨーロッパに先進性をもたらし、それが現在もつづいています。
版画の普及
東洋では版画が広く普及しました。版画に文字を組み合わせることで、絵だけでなく多くの情報を広める手段として活用されました。しかし、版画には彫り師や刷り師といった専門職が必要であり、活版印刷ほど安価に制作することはできませんでした。この違いが、西洋と東洋の国力の差を生む一因となったと考えられます。
社会的影響
情報が大量生産され、識字率が向上。科学や哲学の発展を促進し、民主主義の基盤が形成されました。
3. 電信:遠距離コミュニケーション
電信の発明
19世紀初頭、サミュエル・モールスが電信とモールス信号を開発しました。これは複製技術の応用したものと捉えられます。これにより、遠隔地間でのリアルタイム通信が可能になりました。
電話の普及
1876年、アレクサンダー・グラハム・ベルによる電話の発明は、音声を通じた直接的なコミュニケーションの新時代を切り開きました。モールス信号では覚えることと変換が必要で、直感的ではありませんでしたがこれにより、直感的に理解できるようになりました。
社会的影響
商業や軍事において情報伝達のスピードが飛躍的に向上。国際貿易が活発化し、都市化の進展を後押ししました。しかし、私たちは直接会って会話することで表情をみて、そのニュアンスを感じています。極端な例ではウィンクして怒れば言葉ほどに怒っていないことを意味します。
4. コンピュータとインターネット:デジタル時代の幕開け
コンピュータの登場
20世紀中盤に登場したコンピュータは、計算能力とデータ処理能力を飛躍的に向上させました。初期の大型コンピュータから、現在のスマートフォンに至るまで、その進化は目覚ましいものがあります。
これはデジタル技術が発明されたことに起因します。すべてをスイッチのon offと対応させたことで処理速度を上げるだけでなく自動化を促しました。初期の大量生産はこういった技術によるものでした。
インターネットの普及
1960年代にアメリカで始まったARPANETを起源とするインターネットは、1990年代に商業化され、世界中の人々がつながるプラットフォームを提供しました。ベースには2進数がon offで表される事です。
インターネットの通信速度は、技術の進化とともに飛躍的に向上してきました。以下に、主な技術の導入とその通信速度の推移をまとめます。
固定ブロードバンドの通信速度の推移:
1990年代後半:ダイヤルアップ接続が主流で、通信速度は最大56kbps程度でした。
2000年代初頭:ADSL(非対称デジタル加入者線)の普及により、下り最大8Mbps程度の速度が一般的となりました。
2000年代中盤:光ファイバー(FTTH)の導入が進み、最大100Mbpsのサービスが提供され始めました。
2010年代:光回線の技術向上により、1Gbpsのサービスが一般的となりました。
2020年代:さらに高速な10Gbpsのサービスも登場し、高速・大容量通信が可能となっています。
これらの技術革新により、インターネットを介した動画配信、オンラインゲーム、IoT機器の利用など、多様なサービスが可能となりました。
社会的影響
知識へのアクセスが民主化され、電子商取引やソーシャルメディアが新しい産業を生み出しました。同時に、プライバシーやサイバーセキュリティといった新たな課題も浮上しました。
5. 人工知能と未来の情報技術
AIとその応用
AIは人の思考法を真似た情報処理のことです。21世紀に入り、人工知能(AI)は急速に発展しています。この技術で、コンピュータは人間との違和感が解消されてきました。その結果あらゆることが電算酒利できるようになり、言語・画像認識、自動運転車など、あらゆる分野で応用されています。
社会的影響
自動化が進むことで効率化が進む一方、職業のあり方が大きく変化しています。また、倫理的問題や偏見のリスクに対する議論も活発化しています。これからの社会を大きく変えていくと考えられ、新しいルール作りが必要となっています。
結論
情報技術の進化は、単なる技術革新にとどまらず、人間社会そのものを形成してきました。過去の発展を振り返ることで、私たちは未来に向けた新しい課題と可能性を探る手がかりを得ることができると思います。今回は情報技術の進展をざっと見てみました。