歴史と世界

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アメリカ2党政治の分析と展望

はじめに

2024年のアメリカ大統領選挙では、ドナルド・トランプがカマラ・ハリスに勝利しました。この結果に関して、日本のメディアはトランプ氏が劣勢であると報じ、「もしトラ」などと揶揄する論調が目立ちました。しかし、この予測が大きく外れた背景には、報道の分析や意図について考える必要がありますが、ここではトランプ氏の勝因に焦点を当てます。

トランプ氏は、中間層や労働者層からの強い支持を得ました。特に、連邦の規制緩和やエネルギー分野での政策を優先する姿勢が多くの有権者に響いたとされています。一方、民主党は若年層や少数派との関係を十分に構築できず、支持基盤の拡大に苦戦したと分析されています。この結果、民主党は今後の戦略に課題を残す形となりました。

アメリカの情勢

アメリカの大統領の任期は4年で、年初から始まります。ですから、その年の結果と制作が解りやすくなっています。1990年以降のインフレ率の推移を振り返ると、バイデン政権時のインフレ率上昇が特に目立っています。インフレ率は2%前後で、安定的であることが望ましいとされています。これは、インフレ率の上昇で、給与も上がると見られ、年2%程度であれば、物価上昇と給与上昇とのタイムラグを感じないためです。

しかし、バイデン政権になって、年平均4.95%と突出しています。トランプ政権では1.92%でしたので、いかに急激なインフレが起き、経済的に余裕がない層が混乱したのが解ります。バイデンを支持してきた多くのヒスパニック系や有色人種系の人々は、生活に余裕がない層が多いとされており、彼らにとっては政治的な思想よりも、日々の生活や明日の食事を確保できるかどうかがより切実な課題となっています。

年 インフレ率 年平均 大統領
1993年 2.97   クリントン
1994年 2.6   クリントン
1995年 2.81   クリントン
1996年 2.94   クリントン
1997年 2.34   クリントン
1998年 1.55   クリントン
1999年 2.19   クリントン
2000年 3.37 2.60 クリントン
2001年 2.82   ブッシュ子
2002年 1.6   ブッシュ子
2003年 2.3   ブッシュ子
2004年 2.67   ブッシュ子
2005年 3.37   ブッシュ子
2006年 3.22   ブッシュ子
2007年 2.87   ブッシュ子
2008年 3.81 2.83 ブッシュ子
2009年 -0.32   オバマ
2010年 1.64   オバマ
2011年 3.14   オバマ
2012年 2.08   オバマ
2013年 1.46   オバマ
2014年 1.62   オバマ
2015年 0.12   オバマ
2016年 1.27 1.38 オバマ
2017年 2.13   トランプ
2018年 2.44   トランプ
2019年 1.81   トランプ
2020年 1.25 1.91 トランプ
2021年 4.68   バイデン
2022年 7.99   バイデン
2023年 4.13   バイデン
2024年 2.99 4.95 バイデン

若者の離反

さらに22年にはウクライナ戦争、2023年にはイスラエルのガザ侵攻がが起きていて、いずれも米国が多大な出費をしています。特に、ガザ地区ではジェノサイドと見られる非人道的な事態が進行し、国際裁判所から、ネタニヤフ首相らに逮捕状も出ています。

この戦争は、米国の軍事支援のもとで続き、レバノンやイランへと拡大しています。最初にガザ侵攻を容認したのはバイデン大統領で、他国が軍事支援を縮小する中、米国は変わらず支援を続けています。このような状況に敏感に反応しているのは若者層です。かつてトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都として認定し、アメリカ大使館を移転したことに反発した層の中で、バイデン政権の副大統領だったハリス氏に支持票を投じる人がどれだけいるでしょうか。

ギルバート・ドクトロウ「プレスTVインタビュー:10月21日号」 - マイケル・ハドソン研究会

「イスラエル首相に逮捕状」で分かれる各国の反応 米国は反発も、トランプ氏の対応に注目(産経新聞) - goo ニュース

米上院、イスラエルへの兵器売却停止案を否決 | ロイター

ICC=国際刑事裁判所 ネタニヤフ首相などに逮捕状 外交活動制限も | NHK | イスラエル

イスラエルに武器を供給している国はどこなのか?(1/3) - CNN.co.jp

イスラエル 米の迎撃システム搬入 ヒズボラは「停戦」呼びかけ | NHK | イスラエル・パレスチナ

なぜアメリカのイスラエル支持はかくも盤石なのか? | 公益財団法人 中東調査会

アメリカのイスラエル軍事支援額、最高に 強硬路線支える構図 - 日本経済新聞

格差の拡大

民主党・共和党どちらの政権時でも、経済格差の拡大はほとんど変わらない状況が続いています。この現象は、民主党がエリート層の党と見られるようになった一因でもあると考えられます。かつてはエリート層と富裕層が必ずしも一致していませんでしたが、グローバル化の進展に伴い、エリート層が豊かになることで、エリート層=富裕層という構図が形成されてきました。

一方で、共和党は、この構図に不満を抱く人々の代弁者としての役割を担うようになりました。特に、グローバル化や格差拡大の影響を直接受ける労働者層や地方の人々から支持を集める傾向が強まっています。近年の選挙結果は、こうした社会構造の変化と、それに基づく政治的分断を反映しているように思われます。

おわりに

米国民主党にとって、今回の選挙戦での敗北は、党の存続基盤に関わる深刻な問題を示唆しているように思われます。民主党を支持していたのは、IT関連企業の経営者や、技術者などが多くいました。彼らは成功し、市場をグローバル化する事で多大な富を得ました。その結果、現代社会において、民主党が果たすべき役割が根本から問われる事となりました。時代に即した経済政策を築かなければ、党勢は縮小し、共和党による一党支配が長期化するかもしれません。

トランプ氏は「アメリカファースト」が口癖です。つまり、アメリカ以外の国は「どうなっても構わない」と言っているのです。アメリカの国粋主義に訴えている訳なので、石破首相とも、就任前は会わないようです。アメリカの属国であった我が国が、本当の意味で独立する機会かもしれません。

フォーブス誌が毎年発表する長者番付最新版です。

名前 国 資産額
ベルナール・アルノー フランス 233
イーロン・マスク アメリカ 195
ジェフ・ベゾス アメリカ 194
マーク・ザッカーバーグ アメリカ 177
ラリー・エリソン アメリカ 141
ウォーレン・バフェット アメリカ 133
ビル・ゲイツ アメリカ 128
スティーブ・バルマー アメリカ 121
ムケシュ・アンバニ インド 116
ラリー・ペイジ アメリカ 114
セルゲイ・ブリン アメリカ 110
マイケル・ブルームバーグ アメリカ 106
アマンシオ・オルテガ スペイン 103
カルロス・スリム メキシコ 102
フランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズ フランス 99.5
マイケル・デル アメリカ 91
ゴータム・アダニ インド 84
ジム・ウォルトン アメリカ 78.4
ロブ・ウォルトン アメリカ 77.4
ジェンスン・フアン アメリカ 77
アリス・ウォルトン アメリカ 72.3
デイヴィッド・トムソン カナダ 67.8
ジュリア・コーク アメリカ 64.3
鍾睒睒 中国 62.3
チャールズ・コーク アメリカ 58.5
ジョヴァンニ・フェレロ イタリア 43.8
プラジョゴ・パンゲストゥ インドネシア 43.4
張一鳴 中国 43.4
柳井正 日本 42.8
フィル・ナイト アメリカ 40.9
    (10億$)