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家と個人

家と個人

はじめに

明治時代に作られた帝国憲法民法で定めた家制度の上に成り立っていました。戦後、1947年に廃止されてから75年以上が経過しましたが、まだ捨てきれていない人も多く、この立場で話をする人もいます。そこで、「家」の歴史とその形成過程を調査してみることにしましょう。

歴史

「家」は1族として一塊の人であることもありますが、「house」も同様に「家」と訳され、むしろこのほうが一般的です。血縁関係者としては「氏」も使われるため、小さな「氏」が「家」であると考えられます。

氏は血縁関係を基にしており、その概念は古くから存在していました。

氏 - Wikipedia

 

家督相続

「家」は有形無形の資産を持っていて、その継承が必要です。家の資産は家督と言いますが、家督を相続するのは長子となったのは明治時代に民法で決められてからです。

江戸時代の歴代将軍を表にしました。

氏名 在職 出身家 享年    
1 とくがわ いえやす
徳川家康
(初め元康)
1603年2月12日 安祥松平家 75    
2 とくがわ ひでただ
徳川秀忠
 
1605年4月16日 徳川氏 54 三男  
3 とくがわ いえみつ
徳川家光
 
1623年7月27日 徳川将軍家 48 次男  
4 とくがわ いえつな
徳川家綱
 
1651年8月18日 徳川将軍家 40 長男  
5 とくがわ つなよし
徳川綱吉
 
1680年8月23日 館林徳川家 64 家光4男  
6 とくがわ いえのぶ
徳川家宣
(初め綱豊)
1709年5月1日
 
甲府徳川家 51 綱重の長男  
7 とくがわ いえつぐ
徳川家継
 
1713年4月2日
 
徳川将軍家 8 四男  
8 とくがわ よしむね
徳川吉宗
(初め頼方)
1716年8月13日 紀州徳川家 68 紀州光貞の四男  
9 とくがわ いえしげ
徳川家重
 
1745年11月2日 紀州徳川家 51 長男  
10 とくがわ いえはる
徳川家治
 
1760年5月13日 徳川将軍家 50 長男  
11 とくがわ いえなり
徳川家斉
 
1787年4月15日 一橋徳川家 69 一橋家治済の長男  
12 とくがわ いえよし
徳川家慶
 
1837年4月2日
 
徳川将軍家 61 次男  
13 とくがわ いえさだ
徳川家定
(初め家祥)
1853年11月23日 徳川将軍家 35 四男  
14 とくがわ いえもち
徳川家茂
(初め慶福)
1858年10月25日 紀州徳川家 21 次男  
15 とくがわ よしのぶ
徳川慶喜
(初め昭致)
1867年12月5日 一橋徳川家 77 水戸斉昭の七男  

将軍の役割の一つは後継者を確保することで、一夫多妻が普通でした。しかし、多くの奥さんに囲まれながらも、実際には養子が多く採用されました。将軍などは後継者として選ぶのに、母の出自やその人の器量が考慮されていました。その為、必ずしも長男が将軍になるわけではありませんでした。

全く子供がない場合は、名目上の子供が、血縁者でない場合もありました。

(私たちはアフリカの「イブ」の子孫と言われていますので、何代か 遡れば血縁になるでしょうが)

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遺伝子

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私たちには両親がいます。一代前の先祖は2人であり、その前は4人でした。祖先数=2^戻る代となります。30年ごとに人は新しくなるとして計算すると、祖先の数は室町幕府成立時の人口を上回り、鎌倉幕府の成立時ではほぼ30倍の先祖がいたこととなります。遺伝子の観点から見れば、生物はすべて繋がっています。つまり、「万系一世」であると言えます。したがって、「万系一世」は遺伝子を基にした言葉ではなく、「家」の価値観の上にある言葉です。

万世一系 - Wikipedia

おわりに

私たちは、ある特定の視点や考え方(パラダイム)を通して世界を見ています。客観的な事実であっても、それを見る人の視点によって解釈が異なります。それを自覚する事が必要です。私たちは、家=氏での見方を、よくしてしまいます。同じ事実であっても、異なるパラダイムを持つ人々が無自覚に論争をすると、意見が対立し、敵を作る事にもなります。